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事業承継士とは?事業承継士の有資格者に相談する際、気をつけるべきポイント3つ


公開日:2021年5月7日  最終更新日:2022年11月22日

事業承継士の資格の4つの特徴

事業承継とは、会社の理念や利益を得る仕組み、独自のノウハウ、企業風土を承継し、後継者によるさらなる成長を図ることです。これらの課題を総合的に解決できる資格を有するのが事業承継士です。

ここでは事業承継士の資格についてご紹介します。

1:事業承継士の資格の認定を行っている団体

事業承継士は、一般社団法人事業承継協会という団体によって資格認定されています。

事業承継協会は中小企業の事業承継をサポートすることで、社会全体の利益に貢献することを目的に2015年設立された比較的新しい団体です。

中小企業の経営者に事業承継の大切さを広めるだけでなく、社会の変革に備え事業承継する際に中小企業をサポートする重要な役割を担う人材の育成もしています。

事業承継協会の主な事業内容は、事業承継に関する知識の啓発と普及・調査、研究および情報の提供、書籍の発行、国内外の事業承継関係機関との交流や事業承継に係る人材の育成と資格認定試験の実施などです。

事業承継協会の公式ホームページには、都道府県ごとに事業承継士の資格保有者の氏名と会社名が掲載されています。

出典:一般社団法人事業承継協会公式サイト

2:事業承継士の資格の難易度

事業承継士の資格は試験で60点以上が合格点となっており、試験自体の難易度は高くありません。しかし、事業承継士の資格は誰でも取得できるわけではないことに注意しましょう。

資格取得には中小企業診断士や税理士、弁護士や公認会計士、ファイナンシャル・プランニング技能士など一定の国家資格を取得している又はそれと同等の知識と能力を保有している必要があります。

上記のような一定の国家資格保有者が事業承継センター株式会社が開講している講座を受講し、75%以上の出席をすれば事業承継士の資格試験を受けることが出来ます。

出典:事業承継士になるには|事業承継センター公式サイト

3:事業承継士の役割

事業承継士はオーナー経営者個人の相続や事業承継に関しての相続対策や節税対策だけでなく、弁護士や公認会計士等の専門家をコーディネートしながら、全体最適を目指して支援する役割があります。

また、事業承継に関して中小企業をサポートする役割だけでなく、事業承継の重要性を普及させる役割も担っています。

4:事業承継プランナーとの違い

事業承継プランナーは中小企業の経営者の相談を最初に受け、悩みに寄り添いながら課題をヒアリングして、整理します。

その段階で自然に解決する場合もありますが、一方で課題を解決するために高い専門性が必要になる場合もあるでしょう。そういった場合、専門的な知識を持つ事業承継士に案件を引き継ぎます。

事業承継プランナーは経営者に寄り添い、自分で解決に取り組むべきか、専門家に引き継ぐべきかの前裁きをする役割があります。そして、事業承継士は引き継がれた課題を専門力を生かして支援する役割を担っています。

事業承継士の有資格者にM&Aの相談をするメリット

事業承継の方法には、親族に継がせる「親族内承継」、従業員に継がせる「従業員承継」、事業を他社へ売却する「M&A(Mergers and Acquisitions・会社の合併と買収)」があります。

ここでは、事業承継士にM&Aの相談をするメリットについてご紹介します。

メリット1:専門家同士のネットワークを有する

事業承継士の資格を取得するにあたっては、事業承継士資格取得講座を受講する必要があります。この講座を受講できるのは、弁護士や税理士、公認会計士、ファイナンシャル・プランニング技能士など一定の国家資格を持っている資格者です。

そのため、事業承継士はさまざまな専門知識を持った専門家とのネットワークを構築している場合が多く、仮に依頼した事業承継士が一人で対処できないような問題に直面した場合にも、当該問題に知見のある専門家に相談できる環境があると考えられるため、課題解決の近道となります。

メリット2:事業承継分野の問題を幅広く扱っている

幅広い事業承継分野の相談ができるのも、事業承継士に相談するメリットの1つです。事業承継は親族を後継者にする場合だけでなく、従業員や役員を後継者にしたり、M&Aで他社へと売却する手段によっても達成可能です。

適切な事業承継ができなくては、承継後に業績が悪化したり問題が起ったりする可能性があります。経営状況や従業員から適切な経営能力を持つ人物が見つからなければ、M&Aを選ぶほうが良いケースも考えられます。

幅広い分野に知見とコネクションを持つ事業承継士に相談をすることで、さまざまなリスクを勘案しつつ適切な承継方法を検討することができるのです。

メリット3:事業承継に関する最新知識をおさえている

事業承継士の資格には更新制度があり、更新するには厳しい条件をクリアする必要があります。

事業承継士は資格を更新するためにセミナーや研修に出席したり、継続研修問題を解いて合格したりなど、継続して努力をし、最新の知識を持っている必要があります。

経営者や従業員などの関係者にとって事業承継は重大な問題です。事業承継士は知識を常にアップデートしながら依頼者の相談に応じているのです。

事業承継士の資格を保有している専門家にM&Aの相談をするデメリット

これまで紹介してきたように、事業承継に関する幅広い知識を持つ事業承継士ですが、必ずしもM&Aの相談をするのに最適の専門家とは言えません。M&Aに関する専門的に高度な相談には対応できないケースも考えられます。

事業承継士は事業承継に関する知識を広く有する専門家であり、事業承継の悩みを相談する相談先として効果的です。しかし、 事業承継士は必ずしも事業承継に関する法律や税務、会計、労務などM&Aに関わる全ての分野において高度な知識を持っているわけではありません。

そのため、事業承継士と併せて弁護士や税理士、公認会計士、社会保険労務士等の他の専門家にも相談する必要が生じる場合があります。

事業承継士の有資格者に相談する際のポイント

ここでは、事業承継士への相談を検討している方へ、事業承継士の資格保有者へ相談する際のポイントを4つご紹介します。

ポイント1:相談費用

事業承継士に相談する際に確認しておきたいのが相談費用です。相談だけなら無料という場合もありますし、無料相談の回数が制限されている場合もあります。また、最初から相談費用が発生する場合もありますので、事前に確認しましょう。

有料で相談する場合、依頼する内容によって変わってきますが、一般的に数十万円の費用が必要といわれています。

ポイント2:実績の有無

事業承継などの実績を確認するのも大切なポイントです。事業承継には想定外の事態が発生する可能性があります。

イレギュラーな事態にも臨機応変な対応ができるか否かは実績や経験によるところも大きいと考えられるため、これまで手掛けた案件の数を確認してから依頼すると安心です。また、自社の状況に似た企業の事業承継を支援した実績がある事業承継士を選ぶというのも良いでしょう。

ポイント3:他の専門家との連携状況

事業承継は法的・税務的リスクが数多くあり、幅広い領域の専門家との連携が不可欠です。そのため 専門家同士のネットワークを構築しているか、必要に応じて相談できる体制が整っているのかどうかを、事前に事業承継士に確認しておく必要があります。

M&Aにあたって、事業承継士と併せて相談すべき専門家

M&Aには専門的な知識が必要となり、事業承継士だけでなく、弁護士や行政書士、公認会計士、税理士等の高度な専門的知識を持った専門家と連携して事業承継をする必要が出てくる場合があります。

これらの専門家に相談した場合、相談費用がかさんでしまうというデメリットはありますが、 法的・税務的リスクが潜むM&Aを成功させるなら、事業承継士と併せ、他領域の専門家への相談も視野にいれるべきでしょう。

本項目では、事業承継士と併せて相談できる専門家についてご紹介します。

1:弁護士

M&Aにおいて、事業承継士をサポートする専門家としてまず挙げられるのは弁護士です。弁護士は問題に発展しがちな契約や、M&Aによって生じる法的規制や法的問題の面で相談をすることができます。

しかし、 弁護士によって得意分野や苦手分野がある場合があるため、相談したい内容を整理した上で、M&Aを得意とする弁護士に相談することが重要です。

出典:弁護士を知る|日本弁護士連合会

2:行政書士

許認可をうける事業を営む企業をM&Aで承継する場合、買い手側が改めて許認可を取得し直すために、行政に必要書類を提出することが必要になるケースもあります。

許認可をスムーズに取得して円滑な事業承継を実現するためには、事業承継士への相談に加え、許認可等の書類作成と提出手続きの専門家である行政書士にも相談するのが良いでしょう。

出典:行政書士とは?|日本行政書士会連合会

3:公認会計士

M&Aを成功に導く鍵のひとつに、適切な企業価値の算定があります。売り手企業の適正な企業価値の把握は、買い手企業にとってだけでなく、売り手企業にとっても自社を適切な値付けで譲渡するために欠かせません。

企業価値の算定には高度な専門性が求められるため、公認会計士に相談するのが良いでしょう。

出典:公認会計士とは|日本公認会計士協会公式サイト

4:税理士

税務に関する高度な専門知識を有する税理士には、M&Aに関する確定申告や節税対策のサポートを依頼することができます。

譲渡価格などが高額になりがちなM&Aでは、最初にどのような専門家に依頼したとしても、税理士や会計士のサポートを受けることになる場合がほとんどです。

税理士に相談することで節税対策や確定申告の対策も行うことができます。

出典:日本税理士会連合会とは|日本税理士会連合会

出典:No.2020 確定申告|国税庁公式サイト

事業承継問題を解決したいなら、まず事業承継士に相談してみるのも手

事業承継士は一定の国家資格の有資格者しか取得できない資格です。もともと持っている専門家としての知識や経験に加え、さらに事業承継に関する知識も有しているため、事業承継の問題をどこに相談すべきか迷った際の、有効な選択肢となります。

ただし、事業承継は最終的にM&Aの複雑なスキームが用いられるケースもあり、買い手企業探しや企業価値算定などを1人の事業承継士で行うことは困難です。そのような場合には、M&Aを得意とする弁護士や会計士などにも併せて相談すべきです。

M&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」は、M&Aの買い手企業をネット上で探すことができ、事業承継にも活用できます。一般的な事業承継士には困難な「買い手企業探し」を実現できるのはもちろん、M&A実績豊かなFA(アドバイザー)が各領域の専門家への橋渡しやアドバイスを行うことも可能です。お気軽にお問い合わせください。

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