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買い手の狙いは何? M&Aにおける買収理由10パターン


M&Aによる買収の目的

M&Aを検討する際に、買い手企業はどんな目的で買収しようと考えているのかピンと来ますか? 買収する側の理由を知ることで、売却を検討されている方はツボを押さえた準備をしましょう。それ以外の方も成長戦略の一つとして知っておくと便利です。

買収の根底は、時間を買う

買収の目的でよく言われるのは、買収は時間を買う行為だということです。社内で新規事業を作ったり、人を増やし、広告を打ち、シェアを増やしていく行為ももちろん間違ってはいませんが、すでに 確立している仕組みを買うほうが早い場合もあります。

ソフトバンク日本電産など、M&Aを駆使し、シェアの拡大や他業種への参入、海外展開などを効率的に行っている会社もあります。

参考:ソフトバンク、日本電産のM&A戦略についてさらに知りたい方は、以下の記事も併せてお読みください。

企業買収における10の狙い

1.新規事業を買う

新規事業を買う目的でM&Aをする買い手は、一般的には大企業に多いとされています。こうした企業が新規事業を買う理由は、主に二つに分類できます。

一つ目は、将来の柱となるような新しい事業が欲しいという理由です。成熟した企業において、社内で新規事業を作るのはなかなか難しい場合が多いです。物量があってもゼロからイチを作れる人材がいないケースもあれば、新しいアイデアを許容しにくい風土が壁になっている場合もあります。いわゆるイノベーションのジレンマに対する施策としてM&Aが使われるのです。

■イノベーションのジレンマ
ハーバード・ビジネス・スクールの教授であったクレイトン・クリステンセンが1995年、同名の論文の中で展開した理論。それまで誰も意識していなかったニーズを掘り起こす取り組みは成功確率が低く、大企業には着手しにくい。しかし、大企業が顧客の声を聴きながら製品改良を続けていても、ある時点で顧客の関心は革新的製品に移ってしまうというジレンマを指す。


参考:イノベーションのジレンマ ―優良企業は必然的に失敗する?―

二つ目は、 将来のライバルを潰しておくという理由です。FacebookWhatsAppInstagramを買収した背景にもこれがあると言われています。また、2017年に大型の上場をしたSnapchatに買収を仕掛けていたのも同じ理由と考えられます。

新規事業が実際に上手く育つかどうかも当然重要ですが、その後の競合との戦いに備えることも大切です。M&Aによって、 将来の競合になる可能性のある存在を早めに味方に引き入れておけば、市場環境はぐっと戦いやすくなります。このパターンのM&Aでは、買収価格も高くなりやすいです。

参考:FacebookによるInstagram買収についてさらに知りたい方は、以下の記事も併せてお読みください。

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2.人を買う

人身売買のようですが、M&Aにおいては、「人を買う」というのも重要な目的の一つです。アクハイヤー(Acqui-hire)というシリコンバレーで生まれた言葉があります。「買収する(acquire)」と「雇用する(hire)」を掛け合わせた言葉で、M&Aを通じて 経営陣や採用困難な技術者などの有能な人材を獲得することを言います。

人を買うことによって、専門性(技術力や営業力)人数規模オペレーション体制を手に入れることができるのです。シリコンバレーだけでなく、日本でも採用難易度が高いITなどの領域では実際に行われています

特にAIなどの分野では人材獲得競争が激化していることから、アクハイヤー目的のM&Aも増えてきました。電通や京セラコミュニケーションシステムなど、大企業による買収事例も見られます。

参考:電通プレスリリース(電通、マーケティング領域のAI開発に強みを持つ「データアーティスト社」を子会社化)、Rist・京セラコミュニケーションシステムプレスリリース(RistがAI事業のさらなる拡大を目的に、京セラコミュニケーションシステムを引受先とした株主割当増資を実施

なお、アクハイヤーを主目的とするM&Aの中には、一部に、買収後にもともと売り手が運営していたサービスをストップさせて、担当人材を別の事業に回したというケースもあり、議論の対象となっています。

3.シェアを買う

すでに業界再編が起きている領域、あるいは同業の中で最終的に1社しか勝ち残らないと言われるプラットフォームサービスなどの領域では、この目的でM&Aが行われます。

前者の代表例として挙げられるのは、調剤薬局業界。再編がますます激化しています。また、過去には製薬の卸売業界がM&Aによって再編され、現在では寡占状態になっています。

このように「シェアを買う」ためのM&Aは、 成熟した市場において起きやすい現象です。また、買い手が 未開拓の地方に進出する手段として行われることもあります。

4.シナジーを買う

そもそもシナジー効果とは、2社以上の企業を結合することにより、 各社単独で生み出しうる価値の合計を上回る価値が生まれる効果のことです。わかりやすい表現をすると、 1+1が3にも4にもなることを言います。

さらに、シナジーが発揮される方向性としては、収益向上コスト削減の2つがあります。

■収益向上のシナジー

買収先の特長 期待される効果
クロスセルできる商材を持っている 顧客単価アップ
流通網を持っている 商流拡大
連携できるデータを持っている
サービス規模や事業可能性の拡大

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■コスト削減のシナジー

M&Aのパターン M&Aで起こる変化 期待される効果
川上企業による垂直統合(例:自動車会社による部品メーカーの買収) 仕入れ値のマージンが不要になる
仕入れ単価ダウン
同業他社どうし 仕入れロットが増える
仕入れ単価ダウン

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5.資金調達力を買う

業績の良い会社を買収することで、売り上げや利益が向上し、資金調達力が上がる場合があります。

例えば、銀行からの融資を受けやすくする狙いであれば、 PL(損益計算書)・CS(キャッシュフロー計算書)が優秀な会社を買収することで融資力が高まります

また、上場企業であれば、 買収を発表することで株価が上がり、資金調達力アップにつながることがあります。

買収の発表は株価アップにつながる?
案件によって市場の評価は分かれます。たとえば、2019年11月、ヤフーとLINEの経営統合が報じられた際は、統合効果への期待が大きく、ヤフーの親会社Zホールディングスの株価は1日で65円アップ(16.9%増)、LINEはストップ高の705円アップ(15.4%増)となりました。一方、2018年5月に発表された超大型M&A、武田薬品工業によるアイルランドの製薬会社シャイアーの買収の場合は、巨額買収による財務悪化への懸念が上回った結果、武田薬品工業の株価は、2018年の1年間で6,693円から3,498円まで下落(52.3%減)しました。

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6.権利・許認可・既得権を買う

ブランド免許不動産特許といった、 買収しないと獲得しにくい資産を手に入れるためにM&Aが使われる場合があります。

ブランドの買収では、東京ガールズコレクションDLEが買収した事例があります。

参考:DLE社プレスリリース(DLE、「東京ガールズコレクション」の商標権を獲得東京ガールズコレクション、商標と運営の一体化 )

免許に関しては、人材派遣会社や証券会社は人気の許認可ビジネスで、M&Aでも高値で取引されることが多いです。

7.海外拠点を買う

海外市場に事業を拡大したり、新規参入する場合、自社でゼロから基盤を構築するのは非常に難易度が高いです。このプロセスをスキップするため、 狙っている市場にすでに基盤を持っている会社を買収する場合があります。

また、国によっては外国企業への抵抗感が強いところもあるので、 対策として現地企業を子会社化して事業を進めていく場合もあります。クックパッドやユニクロを運営するファーストリテイリングなどがこの戦略をとっています。

 

8.リスク分散を買う

いわゆる経営の多角化をするためにM&Aを用いる場合です。 本業に関連のない事業であれば共倒れになるリスクも低く、経営の安定性を作り出します。社内で全くノウハウのない分野に参入することは難易度が高いため、M&Aが用いられることが多いとされています。

ちなみに、上場企業では、コングロマリットディスカウントという現象があり、多角化に対してやや後ろ向きな面もあります。

■コングロマリットディスカウント
さまざまな事業を手掛けるコングロマリット(複合企業)が多角化を進めるにつれ、投資家から見ると、投資するお金がどの事業に使われるか分かりにくくなるため、株価が上がりづらくなる現象。


ただ、この現象が起こるかどうかは、景気や投資家との対話の状況次第であり、コングロマリット全てに起こるわけではありません。GE(ゼネラルエレクトリック)のように複数事業を営んでいることで安定感があると判断され、市場からの評価を高める場合もあります。

9.節税を買う

こちらはメインの目的になる場合は少ないですが、 節税を狙って累積赤字の溜まった会社を買うケースもあります。

10.後継者を買う

後継者候補を探している買い手の場合、社外の優秀な人材を次期社長にするために、その人のいる会社自体を買う場合があります。

また、社内に後継者候補がいる場合には、経営者としての経験を積ませる場を確保するために外部の会社を買収し、その会社の社長に抜擢する例もあります。

買い手の買収理由を把握しておくメリット

買い手企業にとっては、M&Aはそれ自体が目的ではなく、自社の成長戦略を実現するための手段の一つです。このため、売り手側としては、自社に関心を持っている買い手がどんな戦略を持ち、自社のどんな点に注目しているかを知っておくことで、 より買い手企業とのM&A後のシナジーを描きやすいというメリットがあります。

また、新たに買い手候補会社を探す際にも、候補となる会社のM&A戦略が分かれば、そもそも自社に関心を持ってくれそうかどうか当たりを付けることができます。上場会社であれば、IRサイトに掲載されている決算発表資料や中期経営計画、これまでのM&A時の発表資料などが参考になります。

情報収集手段としては、M&Aのマッチングサイトも挙げられます。現時点では、買い手側の詳しい情報が閲覧できるウェブサービスは少ないですが、「M&Aクラウド」では、買い手の経営者もしくはM&A担当者に直接取材したM&A戦略情報が掲載されており、 買い手企業のM&Aを通じた成長戦略ストーリーや過去の買収・出資実績を知ることができます。掲載会社数は240社を超えており、売り手企業は無料で利用できます。

                   

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