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子会社化とは?子会社化の6つのメリットと4つのデメリットを解説


公開日:2021年7月2日  最終更新日:2021年7月2日

子会社とは、「自社の意思決定機関を特定の親会社に支配されている」状態にある会社を指す言葉です。他社を子会社化することによりビジネスを伸ばすことに成功した例もあるなど、企業経営の選択として、流れや効果を知っておきたい概念です。本記事では子会社化についての基礎知識を解説します。

子会社化とは?

子会社とは、「自社の意思決定機関を特定の親会社に支配されている」状態にある会社を指す言葉です。

具体的には「親会社が子会社の株式の半数以上(=株式比率50%超)を保有する」または、「子会社株式を40%以上所有し、かつ一定の条件、例えば子会社側の役員構成の過半数以上が親会社の役員、使用人である場合」のことを言います。ここでいう意思決定機関とは「株主総会」に当たります。

「株式の半数以上(=50%超)を保有する」とは、「議決権の過半数」を意味します。会社を支配する側が「親会社」であり、支配される側が「子会社」といったイメージです。

株主総会において決議される内容は、「決算の承認」「株主への配当金の金額」「取締役、役員報酬(給料)」など多岐にわたります。これらは会社の方針と経営を決定するうえで重要な要素を担っています。子会社はこれらを決定する機関・機能を親会社にゆだねている状態にあります。

親会社とは

2社以上の会社が「支配する側」と「支配される側」の関係(支配従属関係)にある場合、子会社を他の会社を支配している会社を「親会社」といいます。

会社法では、例外もありますが、子会社の株主の議決権の半数を所有している会社を指す場合が多いです。会社法第2条第4号には「株式会社を子会社とする会社であって、その他の株式会社経営を支配している法人として法務省令が定めるものをいう」とあります。

上場会社のように有価証券報告書を提出する必要がある企業では、親会社になると、原則として連結財務諸表を作成しなければなりません。

「連結財務諸表」とは、連結会計制度に則り、法律上別個の企業となる親会社とその子会社(傘下グループを含む)各社を単一の企業組織と捉えて作成される財務諸表のことです。これによって会社全体を俯瞰的に企業組織の財政状況や業績を把握することができます。

子会社化の種類3つ

従来では、発行済株式数の50%超を直接・間接的に保有していない限り子会社とされていませんでした。しかし会社法改正後、発行済株式割合が過半数を保有していない場合でも、実質的に経営を掌握していると認められる会社は、すべて子会社とされるようになりました。

また、子会社の類語として「持分法適用会社(関連会社)」があります。「連結財務諸表上、持ち分法を適用する被投資会社」を指しており、基本的には議決権所有比率の20%から50%未満の非連結子会社あるいは関連会社に持分法が適用されます。

ここでは、子会社化の体系3つと違いについて解説します。

1:連結子会社

「連結子会社」とは、親会社の連結財務諸表に連結の様式で掲載される子会社のことをいいます。つまり連結決算の対象会社です。「連結決算」は、親会社の会計に傘下である子会社あるいは孫会社などの会計を加えた決算のことをいいます。

上場企業は、事業年度ことに有価証券報告書の提出が義務化されているため、その一部として先述した連結財務諸表を提出します。なお、非上場企業にはこれらは義務付けられていませんが、例外的に「株主数1000人以上、かつ、資本金5億円以上の会社」は金融庁に有価証券報告書を提出する義務があります。

出典:企業内容等開示(ディスクロージャー)制度の概要|関東財務局

2:完全子会社

「完全子会社」とは、子会社の資本のすべてが親会社保有になっている子会社を指します。つまり、持株比率の100%を親会社が保有している状態です。ただし、相互会社や個人所有の場合は該当しません。

100%出資である子会社を「完全子会社」と表現するのと同様に、その場合における親会社を「完全親会社」と表現します。

3:非連結子会社

「非連結子会社」とは、「連結財務諸表に関する会計基準」における「子会社」に該当するものの、重要性の原則(重要性の乏しいものについて簡便な会計処理表示を認める原則)に基づく除外理由などによって、連結の範囲から除かれる会社のことを言います。

非連結子会社にはいくつかの要件があり、「支配が一時的であると認められる企業」「連結することによって利害関係者の判断を著しく誤認させる恐れのある企業」「重要性の乏しい会社」と認められた場合に除外されます。

「重要性の乏しい会社」については、子会社化であっても、その資産や売上高・利益などを鑑み、連結の範囲から除外しても企業グループ全体の財務状況や業績に関して合理的は判断を妨げない程度の重要性の乏しいものは、連結の範囲に含めないとされています。

子会社化の統合方法について

ここでは「M&A」による他社の子会社化について解説します。M&Aとは、Mergers and Acquisitionsの略で、企業の吸収合併・買収を指します。経営権の移動によって、影響を与える「ビジネス上の経済行為」として用いられます。

狭義では、2つ以上の企業が1つになる「合併」と、ある企業が他の企業を買う「買収」を指しますが、広義では事業譲渡(営業譲渡)や株式譲渡などの概念も包括しています。

ここでは子会社化における「事業譲渡」と「株式取得(株式譲渡)」について解説します。

事業譲渡

「事業譲渡」とは、会社が保有する事業のすべてあるいは一部を他の会社へ譲渡することを言います。譲渡の対象は、有形・無形財産であり、従業員や施設(工場)・利権・ブランド(銘柄)・技術・ノウハウが該当します。

譲渡対象となるものを双方で話し合って決定できる点が事業譲渡の特徴で、売り手(ここでいう「子会社」になる会社)は不要な負債を抱えるなどのリスクヘッジができる点にメリットがあります。

具体的なスキームとして、単なる事業譲渡であれば親会社の1事業になるため、子会社化には、子会社を設立し、設立した子会社に事業譲渡をすることになります。

参考記事:事業譲渡とは?事業譲渡の活用シーンと、売り手企業にとっての負担・デメリット|M&A to Z

株式取得(株式譲渡)

一般的に「株式取得(株式譲渡)」とは、対象会社の株式を取得することで子会社化する手法です。売り手側は株式を譲渡し、買い手側はその対価として現金を支払います。保有株すべてを購入すれば、会社のすべての経営権を得ることができます。

子会社の株式取得に関する手続きは、通常の株式取得のケースとは相違するという注意点があります。

まず、買い手側は、対象会社の株式購入する手順として、取締役会での取締役決議が必要になります。売り手側は、子会社の株式譲渡に対して、原則として取締役会決議(普通決議)で足ります。

ただし子会社株式の帳簿価額が、親会社総資産額の5分の1を超えるなどの一定条件に該当する場合、重要な子会社の売却として、特別決議が必要となります。

参考記事:株式譲渡を行うメリット5つ|主な手続きや注意点もあわせて解説|M&A to Z

子会社化のメリット6選

子会社化のメリットを7つ紹介します。親会社はもちろん、子会社にもメリットがあるため、世界でいくつもの会社が子会社化の動きをとっています。

1:人材や情報を有効活用でき事業展開が容易になる

子会社化により親会社のグループ企業としてのシナジー効果および連結上の当期純利益等の利益向上効果があります。これにより得た人材は情報・ノウハウを有効活用できるというメリットがあります。

例えば、日本製鉄(新日鉄住金)は山陽特殊製鋼を子会社化したことで、世界展開に向けた生産・開発体制を整備し、事業展開の準備を図りました。

得意分野の異なる会社・企業を子会社化することで、その会社で働いている優秀な人材を獲得でき、合わせて社員同士の競争力・モチベーション活性化にも期待できます。

また他にも、営業基盤を持つ企業が技術力ある企業を子会社化することで、子会社の売上を伸ばすことができるという、シナジーを見込んだ子会社化なども増加しています。

出典:新日鐵住金株式会社による山陽特殊製鋼株式会社の子会社化等に関する契約の締結について|新日鐵住金株式会社・山陽特殊製鋼株式会社

2:親会社の法人事業税に軽減税率が適用される

「事業税」とは、個人あるいは法人が事業を営業している場合において、その所得にかかる都道府県税を指し、「課税所得×税率」で計算されます。

東京都では、超過課税(地方公共団体が標準税を超過する税率を条例で定めて課税すること)を採用しています。あわせて、資本金の額(もしくは出資金の額)と所得などの大きさによって異なる税率を適用します。

資本金などの額が1億円以下の中小企業の場合は、800万円以下の所得に対しては軽減税率を適用することができます。

子会社と親会社を分けることで利益が分散されるため、利益額に応じて課税される法人事業税を節税することができる場合もあります。

なお、税率は毎年変更されるため注意が必要です。

出典:法人住民税 ・ 法人事業税税率一覧表|総務省自治税務局

3:事業拡大や多角化ができる

業績が好調で資金に余裕がある企業を子会社化することで、親会社は新しい事業を始動し、市場シェア拡大を図ることができます。

例えば、2019年のソフトバンクによるYahoo!(ヤフー)の子会社が挙げられます。ソフトバンクは非通信分野進出に向け連携を強化する目的でヤフーの子会社化を発表しました。

出典:理にかなったソフトバンクのヤフー子会社化、でも残る「資金融通」の疑念|日経XTECH

4:利益アップを見込める

子会社化によって利益を上昇させたのが「イオン」です。

イオンは、30%超の株式を保有するウエルシアホールディングスを、株式公開買付け(TOB)によって過半数の株式を取得し、子会社(持株会社)としました。

これにともない2015年2月期に300億円規模の特別利益を計上しました。

さらに利益アップに留まらず、マツモトキヨシホールディングスを抜いて一気にドラッグストア業界の首位に浮上しました。その後、一連の統合・子会社化の動きは、業界再編戦略の奇策と評価されています。

出典:ドラッグストア業界にイオン・ショック 奇策でマツキヨ抜き首位奪還 業界再編加速か|Business Journal

参考記事:TOB(株式公開買付け)とは?種類や事例、TOBをする企業・される企業のメリットなどを解説|M&A to Z

5:会社間の利益移動が節税になる

企業は、税務上の赤字である欠損金を一定期間にわたり繰り越すことが認められています。この欠損金をうまく利活用することで大きな節税効果を得られます。

また消費税法上、新たに設立された法人については、設立1期目及び2期目の基準期間はありませんので、原則として納税義務が免除されます。したがって、親会社が子会社を設立してから2年間は子会社の消費税納税義務が免除されます。ただし、設立から2年以内の法人であっても一定の場合には納税義務が免除されないこともあるため、顧問税理士等に必ず相談しましょう。

6:親会社のブランド力や技術・ノウハウを活用できる

子会社化によるメリットとして、子会社側が親会社の社名やブランドを使用できる点も挙げられます。対象企業を買収する場合、必ずしも対象会社が業績好調というわけではありません。

有名企業が参加することで、その企業のブランドイメージを上げることが可能です。ブランドイメージの利活用によって業績回復を図ることができ、新たな技術・ノウハウの導入・新規取引先情報の獲得などでさらなる企業の発展が期待できます。

この効果は、結果的に親会社の連結数値に反映されることとなります。

子会社化のデメリット4選

子会社化には「親会社」「子会社」ともにリスクも潜在しています。

子会社化のイニシアティブを握っているのは親会社ですが、経営の軌道に乗っていない会社を子会社として受け入れる親会社のリスクも潜在します。子会社化によって今後の会社の命運がどうなるか・何が変わるかは不明瞭です。

1:事務作業の負担が増える

子会社化によって、事務負担が増えるデメリットが生じます。抱える会社や従業員・社員が増える分、経営管理・経費、経理などの事務作業が増加するためです。

さらに、親会社は子会社の業績評価を行い達成状況を検証する必要があるため、子会社から報告を受ける営業利益やキャッシュフローの分析、子会社が上場企業であれば株価動向分析なども親会社の負担となります。

2:親会社は子会社の赤字補填が必要になる場合がある

子会社のデメリットの1つとして、子会社が計上した赤字は親会社の連結数値に反映されることになります。

また、子会社が計上した赤字は、繰越欠損金として税務上認識されます。

仮に子会社を吸収合併や清算した際に、黒子氏欠損金を引き継ぐことで親会社の税金を減額すり事ができます(繰越欠損金の引継ぎには一定の要件があります)。

親会社と子会社の関係だからといって、関係性は永久的なものではなく、業績不振が続くようであれば、親会社として子会社を売却・清算といった判断も必要になるでしょう。

3:ランニングコストが増加する

日本の企業は、親子上場している有名企業が数多くあります。しかし近年、親子上場は減少傾向にあります。親子上場継続のために費用(コスト)がかかるためです。

具体的には、監査法人による監査などの費用や、内部統制などによる管理コストの増加などです。また、子会社が上場することにより、子会社の利益は親会社持分と非支配持分に分配されます。

これらのデメリットなどから、親子上場を廃止する企業が増えています。

4:親会社が子会社の社名を変更する場合がある

会社の名前は、その会社沿革の1ページ目であり創業者たちの思いが込められています。しかし、子会社化によって親会社からその社名を変更するよう指示が出る可能性もあります。もちろん親会社からの命に子会社は逆らえる立場にはないため、社名を変更せざるを得ません。

場合によっては、社員らの意図を汲んでいない新たな社名へと刷新されてしまう場合もあります。

子会社化を成功させるコツ

子会社化への舵取りは双方の経営者にとって重要な局面に立たされます。将来にわたって会社の命運を決めかねない交渉となるため、必ずや成功に導きたいものです。

そのようななかで、どのようにして子会社化を成功させるかを解説していきます。

1:親会社とWin-Winの関係を構築する

子会社化を成功させるにあたっての大きなポイントは、対象会社を買収する際に、企業グループとしてのシナジー効果や、将来の組織再編見越した経営計画にマッチしている企業であるかを判断することが重要で、それはWin-Winの関係性を構築することから始まります。

親会社は子会社を受け入れることで、新しいノウハウや新規事業の展開といった明確なビジョンを描くことができます。

子会社になる企業は、親会社の傘下に入ることよって、経営基盤の強化などのメリットが享受できます。

子会社化にはデメリットも伴うため、なぜ子会社化を進めるのかという目的を明確に導き出すことが肝要となります。

2:デューデリジェンスを実施する

「デューデリジェンス(DD)」は、日本語で「企業などに要求される当然に実施すべき注意義務および努力」といいます。

M&Aのリスクリターンを適正に把握するために事前に行う一連の調査のことを指します。

デューデリジェンスの導入は双方が基本合意書を締結したのちに行います。「財政状態」「税務状況」「納税状況」「業務状況」などについて、専門家に依頼して進めていきます。

基本合意契約はいつでも破棄が可能である為、デューデリジェンスによって問題が発覚した際はリスクを回避できます。子会社化を完全合意されたのちに問題が発覚してしまっては手遅れになるため、デューデリジェンスは必要不可欠です。

売り手企業にとっても、自社を正当に評価してもらうために協力が欠かせないプロセスです。

参照:M&Aのデューデリジェンスとは?7種のDDで売り手企業に求められる準備と注意点|M&A to Z

3:M&Aの専門家に助言を依頼する

対象会社を買収し、子会社化することは自社の判断だけでなく、M&Aの専門家などに依頼をすることも効果的なやり方の1つといえます。

子会社化には、財務や税務、法務などといった専門知識が必要であるため、自社の経営陣だけですべてを取り仕切るのはリスクがあります。

M&Aの一方当事者の立場に立って相手企業と交渉を行ってくれるファイナンシャル・アドバイザー(FA)を見つけるとよいでしょう。

FAの協力を得ることで「依頼者の利益を最大化できる」「M&Aの専門的なアドバイスを受けることができる」「成約までの期間が短く成約率が高くなる」といったメリットがあります。

M&Aマッチングプラットフォーム「M&Aクラウド」は、サイト上で買い手企業が子会社化したい企業の要件を記事として掲載することで、売り手企業から打診を受けられる仕組み。売り手企業は、自社と相性が良さそうな企業に直接声をかけることが可能です。FAによるアドバイスを受けることもできます。

子会社化を行う際はメリットやリスクを十分に理解しよう

子会社化にあたっては、企業の将来を考えたうえで、何がベストもしくはベターな選択であるかを見極めなくてはなりません。

子会社化のスキームやメリット・デメリットをインプットし、プロセスを進めることが重要です。

                   

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