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事業譲渡で企業が注意すべき従業員への対応|従業員の待遇の事例をもとに紹介


公開日:2021年7月16日  最終更新日:2021年7月16日

事業承継

近年、コロナ禍における経営環境の変化で事業運営のあり方も多様化しています。なかには事業の一部から撤退して立て直しを図りたい、選択と集中を進めたい、などお考えの経営者もいるのではないでしょうか。

 

そこで、今回取り上げるM&Aの手法は「事業譲渡」です。事業譲渡の成否と密接に関わりを持つ“自社従業員への対応“で注意すべきポイントをご紹介します。

事業譲渡とは

事業譲渡とは、経営権は保持しつつ会社の一部または全部の事業を第三者に売却することと定められています。

事業を譲渡する側と譲り受ける側の双方の合意があれば事業譲渡が成立するわけではありません。会社法という法律に則って行う必要があります。

事業譲渡する場合は会社法の事業譲渡に関する事項を理解しておかなければなりません。

出典:省令の主な改正内容 会社法第467条|厚生労働省

事業譲渡による従業員への影響は?

事業譲渡する場合は、従業員の雇用契約が譲受企業にそのまま承継されるわけではありません。そのため、従業員は改めて譲受企業と雇用契約を結ぶ必要があります。

従業員の中には譲渡前の企業に愛着があったり、譲受企業の考え方が気に入らなかったりなど、 様々な理由から譲受企業へ移ることへの反発や離職があることも少なくありません。

企業に対して同意を持って働いている従業員にとっては大きな影響があります。

出典:「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」の概要  |厚生労働省

事業譲渡後の従業員はどのような待遇になる?

事業譲渡時、従業員は譲受企業と改めて雇用契約を結ぶ必要があります。その際に従業員側からの反発や意見が上がる可能性があります。

事業を譲り渡す企業で働く従業員が受ける待遇を3つポイントでご紹介します。

1、譲渡企業でそのまま働く

従業員は、譲受企業と雇用契約を改めて結んでそのまま働くことができます。

譲受企業が定めた賃金や労働条件を受け入れられない従業員は雇用契約を結ばずに、拒否することもできるのです。

中核の従業員に拒否されると事業価値が下がる可能性があるので、労働条件等は慎重に決める必要があります。

2、譲受企業に転籍する

通常、譲渡企業の従業員は、労働条件はそのままで譲受企業へ転籍することが多くあります。

しかし、譲受企業としては従業員の能力に合わせて労働条件を変更したい思いがあります。そのため、一定期間は譲渡企業と同様の労働条件で雇用し、その後、労働条件を変更するという方法が多く取られています。

中核となる従業員の転籍拒否が起きた場合は事業の価値が下がる可能性があるため、譲渡企業は従業員から転籍承諾書を取ることを努力義務として課されるのが通常です。

出典:会社分割・事業譲渡・合併における労働者保護のための手続に関するQ&A|厚生労働省

3、希望退職

希望退職とは企業側が退職金の増額などの条件を提示し、労働者から自発的な退職意思を引き出すことです。

希望退職を募る場合の退職金支払いは譲渡企業側が行います。規定の退職金額より多く支払いたくないと考え、 希望退職を募らずに解雇を行うと解雇回避努力義務を怠ったとみなされる場合がありますので注意が必要です。

出典:企業組織再編に伴う労働関係上の諸問題に関する研究会報告|厚生労働省

事業譲渡時の従業員への対応3つ

事業譲渡時には従業員からの思いがけない希望や要望が挙がる場合があります。

全く想定していないと、適切な対応ができなくなる可能性があるため、事業譲渡する際は従業員に知らせる前に起こり得る事をしっかりと考えておきましょう。

以下で具体的に想定される事態をご紹介します。

1、転籍を拒否する社員がいる場合

転籍を拒否する社員への対応として、譲渡企業から譲受企業への出向という形で継続して働いてもらうことができます。譲渡企業に籍を置いたままということになりますので転籍にはなりません。

事業譲渡自体に否定的な考え方の社員であれば離職するということもありますが、そうならないためにもしっかりと説明を行い、最善の対応を取りましょう。

2、退職を希望する従業員がいる場合

自分から退職を希望したので通常は自己都合による退職となりますが、事業譲渡時の退職になると、譲受企業へ転籍しない場合は退職しか選択肢はないとみなされる場合があります。

事業譲渡しても労働条件や給与などに変わりはないことなどをしっかりと説明し、会社に留まってもらえるように対応しないと、トラブルになった際に譲渡企業が不利になりますので注意しましょう。

3、従業員から配置換えの要望があった場合

譲渡企業に留まるために従業員から配置換えの希望があった場合は、配置換えをした際に給与や職位などが下がってしまうことがあると説明し、個別同意をもらう必要があります。

配置換えによる給与や職位など条件が従業員と合わず退職となった場合は、自己都合による退職ではなく、会社都合になるので注意が必要です。

出典:企業組織再編に伴う労働関係上の諸問題に関する研究会報告|厚生労働省

事業譲渡で注意すべき従業員への対応3つ

事業譲渡をする際には、譲渡企業と従業員が結んでいた雇用契約はいったん消滅し、新たに譲受企業との雇用契約が締結されます。

そのため、有給休暇が消滅してしまったり、勤続年数と関わる報奨制度の権利が消滅するなど、従業員に不利益を与えてしまう恐れがあります。

事業に従事する従業員の確保は事業譲渡の成否に関わります。従業員に納得感を持って譲受企業と雇用契約を結んでもらうために、以下のような注意が必要です。

1、雇用契約の扱い

譲渡企業での雇用契約は譲受企業へ自動的に引き継がれるわけではありません。

譲受企業へ転籍、移籍をする社員の個別同意書が必要で、事前に譲渡企業と譲受企業間での合意をしておくことが必要です。

基本的に事業内容が継続され、従業員の仕事内容も変わらないのであれば通常は雇用契約は転籍前と同じです。

出典:「事業譲渡又は合併を行うに当たって会社等が留意すべき事項に関する指針」の概要|厚生労働省

2、退職金の扱い

事業譲渡が原因で退職する従業員への退職金の支払いは譲渡企業が行います。従業員が転籍して譲受企業で働く場合はそれまでの退職金相当分を譲渡側が譲受側へ支払わなければいけません。

事業売却時に一旦退職し、再雇用という形を取る従業員は勤続年数がリセットされるため、手にする退職金額も変わります。

将来的にトラブルになりかねないので、従業員と退職金と退職、転籍についてはしっかり話し合いをしましょう。

3、有給休暇や永年勤続表彰資格の扱い

事業譲受企業と雇用契約を結んだ時点で事業譲渡企業との雇用関係はなくなるため、譲渡企業側に付与された有給休暇の権利はなくなるのが原則です。

しかし、そのような対応では譲渡企業で働いてきた従業員が納得感をもって新たな企業で働くことは難しいと言えます。

そこで、譲渡企業での労働契約の内容が譲受企業に承継される旨を事業譲渡契約に記載して、従業員の有給休暇が引き継がれるようにするのがよいでしょう。

有給休暇以外にも、リフレッシュ休暇やストックオプションの取得資格など永年勤続表彰資格勤についても、同様の手段で通算可能とすることができます。

出典: 会社分割・事業譲渡・合併における労働者保護のための手続に関するQ&A|厚生労働

参考記事:会社が買収されたらその後はどうなるのか?買収された企業の変化5つ|M&A to Z

事業譲渡の際は従業員への対応をお忘れなく

事業譲渡は、事業譲渡は、従業員の退職などによって譲渡契約の前提が崩れてしまえば、白紙になってしまう可能性もあります。

円滑な事業譲渡を実現するためには、従業員の立場に充分配慮した対応が必要です。

                   

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