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大手M&A業者に断られても諦めるのは早い


クレアーク 瀬間隆司

経営状況が芳しくない会社にとって、会社売却するまでの間の資金繰りが重要になってきます。今回は経営者の不安を解消するためにしなければならないことについて、株式会社クレアークの瀬間社長にお話ししていただきました。

中小企業の再構築請負人

前川

現在の事業について説明よろしくお願いします。

瀬間

中小企業向けに「変化=M&A、拡大=海外進出、再生=事業再生」の3種類の経営支援事業を行っています。子育てを終えた世代が、マイホームを減築したりコンパクトなマンションへ住み替えるように、ビジネスも成長路線から今の自分にあったスタイルへ変えることが、ハッピーなリタイアに向けての最適な選択です。

様々なアイデアと工夫で、オーナー社長の心配事を解決するお手伝いをしています。

売却時期の不安が大半

前川

会社売却を検討している経営者の不安はどのようなものがありますか?

瀬間

売却時期を気にする方が多いと思います。どこの仲介業者もそうだとは思いますが、会社売却の相談を受けるときは実際に動き始めてから成約に至るまで、半年から1年くらいの長期的なものになると説明をします。しかし、それを聞いた経営者は半年で成約するものだといいように解釈し、半年後に、なかなか決まらないことに対して不安を持つ方が多いと思います。

前川

そのような不安を取り除くために、どのようなアドバイスを行っていますか?

瀬間

中小企業のM&Aはすぐさま買い手が付き、スムーズに成約するケースはまれです。同業種の過去の事例などをしっかりと説明し、期待値調整を行うほかないと考えています。

大手M&A業者に断られても諦めない

前川

株式会社クレアークさんに会社売却(アドバイザリー契約)を依頼される経営者はどのような方が多いですか?

瀬間

他の仲介業者2~3社から断られて弊社に相談が来るケースが多いです。

前川

どのような理由で仲介業者に断られてきたんですか?

瀬間

中小零細企業の場合、大手仲介業者に依頼すると最低手数料が合わないため、断られるケースがあります。他には、着手金を払ったが、1年たっても買い手を紹介してくれなかったので、当社に相談が来たケースもあります。

会社売却は債権者への説明が大切

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前川

会社売却をするにあたって経営者がしなければならないことは何ですか?

瀬間

利害関係者、特に債権者との調整です。会社経営をされている方のほとんどは借入をされているかと思います。この借入をどのようにするか返済するかは大切になります。会社売却をした際に受け取った代金で返済するのか、借入金も含めて買い手に譲渡するかによって説明の仕方が変わります。

経営者が売却で一番大切なのは説明責任

前川

会社売却で経営者が一番大切にしなければならないことは何ですか?

瀬間

取引先と従業員の方たちに迷惑をかけないこと、良好な関係性を保つことをクライアントには常々説明しています。

前川

直前まで会社売却することを取引先や従業員の方たちに内緒にするケースが多いと思いますが、発表してから良好な関係をどのように気付いていけばいいのですか?

瀬間

取引先に関しては誠意をもって説明をすることです。特に、会社売却後も買い手先が引き続き取引ができるように引き継ぎをする必要があります。従業員に関しては雇用条件で買い手先との交渉を行うことです。雇用条件が守られるまたはベースアップがされるように努力する必要があります。

会社売却を検討するなら2年間の資金繰りを確保せよ

前川

会社売却で経営者が一番苦労するところは何ですか?

瀬間

経営状況が良い会社であればあまり苦労することは少ないが、経営状況が芳しくない会社にとっては会社売却するまでの資金繰りに苦労されるケースがあります。会社売却まで最低2年は資金繰りが持つようにアドバイスをしています。

前川

経営状態が芳しくない場合、なかなか銀行からの融資は難しいと思うのですが、2年間資金が持つようにするためには何をしなければならないですか?

瀬間

いよいよは返済を止めざるを得ないと思います。

前川

銀行は対応してくれるものですか?

瀬間

倒産するくらいなら止めざるを得ないというのが現実です。誠意をもって説明する必要はあります。

会社売却を告げるタイミングは成約内定後

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前川

従業員や家族に会社売却を告げるベストタイミングはいつですか?

瀬間

従業員に対しては基本合意をして、デューデリジェンスを受けてから成約がほぼほぼ確定してから告げることを進めています。家族に関しては口が堅いかどうかだと思います。口が堅ければ検討したタイミングで相談することを進めていますが、口が軽そうであれば直前までは内緒にした方がいいと思います。

前川

ほぼほぼ確定してからとのことですが、基本合意後のデューデリジェンス時にM&Aが破談になるケースというのはどのようなものがありますか?

瀬間

事前に出していた資料とデューデリジェンスの結果が違った場合です。理論的に説明がつく場合であれば問題はありませんが、説明がつかないものが出てくると減額や破談になる可能性が出てきます。悪い内容があったとしても包み隠さず、開示することが一番です。

デューデリジェンスは会計士や弁護士などの専門家が行うので、隠し通せるものは何もありません。

買い手に人気のある業界は人材不足の業種

前川

最近、会社売却が増えてきた業種はどのようなものがありますか?

瀬間

売り手に関しは事業承継問題もあり、どの業種もまんべんなく増加傾向にあります。買い手のニーズに関しては昔からそうですが、ITと人材派遣業の人気があります。

前川

なぜこの業種に人気があるんですか?

瀬間

人手不足の業種は人材欲しさに買い手ニーズが常にあります。

最後に経営者にアドバイス

前川

最後の質問になりますが、会社売却を検討している経営者に一言よろしくお願いいたします。
瀬間

会社売却には時間がかかります。資料などの準備だけでなく、会社売却までの資金繰りの計画をしっかりと行い、早めの準備を行いましょう。

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瀬間隆司

株式会社クレアーク 代表取締役社長

20087月に飲食・小売業に特化した経営コンサルティング会社であるdavinci partners合同会社を設立したが、半年後に身内の倒産劇を目の当たりにした事をきっかけに、095月より中小企業の資金繰り・事業再生コンサルティング業務に業態変更する事を決意し、資金繰りに困っている中小企業に対して様々な解決策を提案している。

資金繰りの相談を受けているなかで、徐々に「会社を売却したい」というニーズが増え、また、同じ時期に「廃業を検討している会社は無いか?条件が合えば買いたいので紹介して欲しい」という問い合わせも増えてきたことから、M&A仲介専業業務を始めるべく、株式会社クレアークを20118月に設立。以降、中小企業の廃業・事業承継問題の解決に取り組んでいる。

前川拓也

株式会社M&Aクラウド 代表取締役CEO

大学時代に建設会社を運営していた父から「会社を継いでほしい」と相談されたが、承継しなかったことで会社は廃業になってしまった。その後、新卒でホクレンの業協同組合連合会に入会、てん菜事業本部の管理部門として100億円規模の収支計画を策定。また、農家をはじめ農業を取り巻く数多くの経営者との交渉を行ってきた。ホクレン退会後、28歳で農家と飲食店をつなぐeコマースサービスmoremoreを立ち上げる。自分が初めて経営をする立場になって、父の会社を承継しなかったことに後悔の念に駆られる。moremoreのバイアウト後、201512月に株式会社M&Aクラウドを設立し、代表取締役CEOに就任。M&Aの情報格差の壁を壊し、M&Aをもっと身近なものにすることで事業承継問題の解決に取り組んでいる。