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九州医療機器販売トップの山下医科器械、同業のトムスを9.2億円で買収
2017年5月16日九州地盤の医療機器販売会社の山下医科器械械株式会社は、透析装置などの医療機器・器具販売の株式会社トムスの発行株式を全て取得し、子会社化すると発表した。取得価格は、9.2億円。M&Aアドバイザリーに支払う取得費用は1500万円である。
買収理由
山下医科器械は、透析分野を専門的に扱うトムスを子会社化することにより、医療機関の多様で専門的なニーズに応えることができる体制を構築する。
考察
医療機器市場規模は平成16年以降増加し、平成26年は過去最大の約2.8兆円となっている。対前年伸び率は年によって増減しているが、平成6年から26年までの平均伸び率は約3.0%であり、景気の影響を受けにくい安定市場と言える。また、山下医科器械の営業利益率は1.14%に対し、同業他社のトムスの営業利益率は約0.50%と2倍以上の改善の余地があると言える。
今回M&Aクラウドが定めている想定回収期間は、10.46年で回収期間としては相場よりも長いが、利益が改善すれば回収期間は半分以下になると考えられる。また、さらに市場の安定性と伸び率を考えると妥当なM&Aだったのではないかと推定できる。
M&Aサマリー
2017.5.16 | 買い手企業 | 売り手企業 |
社名 | 山下医科器械株式会社 | 株式会社トムス |
属性 | 東証1部 | 非上場 |
業種事業内容 | 医療機器/医療機器販売・リース、理化学機器の販売 | 医療/医療機器販売 |
設立年 | 1926年8月 | 1987年2月 |
本社所在地 | 福岡市 | 広島県 |
社員数 | 510名 | 500名(海外グループ含む) |
資本金 | 4億9,402万円 | 1000万円 |
直近の売上高 | 516.15億円 | 30.18億円 |
直近の営業利益 | 5.84億円 | 1500万円 |
純資産 | 59.93億円 | 18.91億円 |
負債 | 127.32億円 | 11.13億円 |
代表的な免許・知財 | 不明 | 不明 |
売却額 | 9.2億円 | |
ディールデータ | ||
※1.実質売却額 | 20.48億円 | |
譲渡スキーム | 株式100%譲渡 | |
※2.想定回収期間 | 10.46年 | |
M&A理由 | スケールメリット |
※1.実質売却額=売却額+負債+取得費用 本来は、左記に現預金を引くのが通例だが、現預金データがないため考慮していない。
※2.想定回収期間=(実質売却額-純資産)÷営業利益
株式会社トムスの概要
会社名:株式会社トムス
代表取締役社長:中村正則
本社所在地: 広島県廿日市市阿品4丁目24-31
資本金:1000万円
株主構成:中村正則 40.0% 中村多鶴子 11.0% その他個人株主 13 名 49.0%