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【2020年最新版】上場スピードランキング – 急成長ベンチャーのIPO分析 –






2020年8月に、AIを用いて写真やビデオを分析する技術を手掛ける ニューラルポケットが設立から2年6か月でのスピード上場を達成したことは大きな話題となりました。

新規上場企業数がここ数年横ばいの中、今回は上場企業の「上場までのスピード」に着目して、IPOの動向やそのスピード上場要因を探りました。

なお、ページ末には過去5年で上場した約500社の企業の上場分析を行った最新データへのリンクがありますので、ぜひダウンロードをしてみてください。

設立~上場までのスピードランキング

新規上場のためには、監査法人によるIPO(Initial Public Offering:新規株式公開)直前2期間の会計監査と上場審査の期間が必須のため、最短でも2年半程度の長い期間が必要になります。
新規上場を目指す多くのスタートアップ企業にとって、業績の成長と内部管理体制をバランスさせながら経営していくことは難易度が非常に高いです。

そんな難易度の高いIPOの中でも、 順調に事業成長を遂げて比較的設立から早いタイミングで上場しているスタートアップ企業は評価に値します。

今後上場を目指すスタートアップ企業の経営者にとっても、上場スピードが速い企業の特徴やIPO全体の傾向は大きな参考になるはずです。

では、さっそく上場スピードランキングのTOP3を見てみましょう。

なお、今回のランキング対象企業の選定方法は以下の通りです。

  • 本ランキングは、株式会社日本取引所グループが運営する東京証券取引所に、以下の市場区分で上場しているもしくは上場予定の企業が対象です(※JASDAQグロース / スタンダード、TOKYO PRO Marketは除く)

  • 2016年1月1日から2020年11月17日まで(過去5年間)に上場した企業473社を選定対象としています

  • 取得できる限りの情報の中で、事業体として創業してからの上場スピードを比較するため、以下の条件下で上場している企業はランキングおよび集計対象から除外しています
    ・組織再編によって持株会社を設立して上場している場合
    ・祖業を持つ母体が過去にすでに上場しており、組織再編等を通じて再度上場する場合

  • また、ある企業の事業部として成長を重ね、以降に新設分割等によって新たな企業体として創業した場合は、その事業規模の大きさを問わず、新しい事業体の設立年度を設立時期として、ランキングの集計対象に含めています

  • さらに、上場する企業体の主要事業がM&A等によって取得されたものである場合でも、譲受企業の創業を設立時期としています





第3位:スタートアップ成長支援の「フォースタートアップス」

フォースタートアップス

第3位には、スタートアップ企業を対象とした人材支援サービスおよびオープンイノベーションサービスなどを中心とした成長産業支援事業をおこなっているフォースタートアップスがランクインしました。

2013年に事業部として発足、2016年9月に人材支援サービス企業として法人設立をしています。「for startups」という経営ビジョンの下、スタートアップ企業に特化した総合的な人材マッチング、独自アルゴリズムに基づく成長企業データベース「STARTUP DB」を展開しています。また、経済産業省主催のスタートアップ育成支援プログラム「J-Startup」に参画したことでも話題となりました。

第3位:フォースタートアップス

  • 設立時期:2016年9月
  • 上場時期:2020年3月13日
  • 上場スピード:3年6ヶ月
  • 時価総額(公募):55億4000万円
  • 従業員数:58人




第2位:Eコマース物流事業の「ファイズ」

ファイズ

第2位は、3PLサービスのほか、拠点間の商品輸送などロジスティクスサービス、EC宅配といったデリバリーサービスを展開するファイズがランクインしました。 

2011年12月に人材派遣の株式会社ヴィ企画3PL事業部として発足した物流企業であり、アマゾンジャパンからの受注を中心に展開し、 売上高の6~7割をアマゾンが占めます。インターネット販売(EC)の市場拡大とともに急速に成長し、高スピードでの上場を実現しました。

第2位:ファイズ

  • 設立時期:2013年10月
  • 上場時期:2017年3月15日
  • 上場スピード:3年5か月
  • 時価総額(公募):30億5000万円
  • 従業員数:179人




第1位:設立からわずか2年6か月で上場「ニューラルポケット」

見事第1位にランクインしたのは、深層学習モデルを用いたAI解析を開発・提供する、ニューラルポケットです。

事業領域としては、市場の期待値も高いAI領域です。街のデジタル化事業「スマートシティ」、AIサイネージ広告サービスを提供する「サイネージ広告」、アパレル業界の効率化を目指す「ファッショントレンド解析」の3事業で展開しています。

ニューラルポケットは、ソフトバンクとの業務提携や、ソフトバンクとトヨタ自動車等が参加しMaaS事業展開を目指す「MONETコンソーシアム」に加盟したことでも注目されています。

 第1位:ニューラルポケット

  • 設立時期:2018年1月
  • 上場時期:2020年8月20日
  • 上場スピード:2年6か月
  • 時価総額(公募):124億5000万円
  • 従業員数:32人




【TOP10ランクイン企業一覧】

設立~上場までのスピードランキングの上位10社の概要は以下の通りです。

順位 上場スピード 企業名 従業員数

時価総額(公募価格)

直前期売上高 直前期営業利益
1 2年6ヶ月 ニューラルポケット 32人 124億円 3.1億円 △1.3億円
2 3年5ヶ月 ファイズ 179人 30.5億円 34.9億円 1.1億円
3 3年6ヶ月 フォースタートアップス 58人 55.4億円 10.4億円 2.7億円
4 3年10ヶ月 セルソース 56人 43.7億円 12.1億円 2.9億円
5 3年11ヶ月(1450日) 識学 40人 43.9億円 7.5億円 0.6億円

6

3年11ヶ月(1451日) and factory 56人 119.2億円 6.8億円 2.2億円
7 3年11ヶ月(1454日) ロコガイド 80人 187.7億円 14.2億円 3.4億円
8 4年0ヶ月 GameWith 39人 158.4億円 9.9億円 3.3億円
9 4年1ヶ月 Kudan 14人 255.4億円 2億円 △306万円
10 4年2ヶ月(1525日) UUUM 147人 123.4億円 69.8億円 3.5億円




なお、急成長のベンチャー企業やマザーズへ上場したての企業などは、 更なる非連続な事業成長を目指すための手段としてM&Aを検討している企業も多いことが特徴として挙げられます。

上場スピードランキングTOP50に入った急成長企業の中で、現在、積極買収・出資中の企業の情報を以下から確認できます。





上位企業は「広告・情報通信」「AI」企業が多い

設立から上場までのスピードランキングのなかで、上場スピードが比較的速い企業にはどのような特徴があるのかをまとめてみました。

調べてみると、上位50社の約6割を広告・情報通信業界が占めており、ITベンチャーの高い成長性と市場からの期待値を裏付ける結果となりました。上位50社を事業領域別で見ると、「AI」「プラットフォーム」「人材関連サービス」の事業を行う企業数がそれぞれ6社で最多となっています。

上場スピードランキングTOP50企業の業界内訳




スピード上場企業は「売上成長率が高い」「スモール上場」

次に、上位企業の特徴から、上場までのスピードが速い企業の特徴を探ってみましょう。売上成長率(直前々期~直前期)、上場時時価総額(公募)、上場時従業員数をランキングTOP10、TOP50 、上場企業全体で比較しました。

上場スピードランキング別、売上成長率・時価総額・従業員数の比較



TOP10に入る企業を見てみると、端的に以下の特徴が見られます。

  1. 売上成長率が高い
  2. 時価総額が小さいスモール上場
  3. 従業員数が少ない




AI業界のスピード上場企業は資本政策や大手との連携に特徴

AI業界は、上位企業に占める事業領域で企業数が最多であり、上場スピードの業界平均が最短であることから、上場トレンド業界といえるでしょう。なぜAI業界ではスピード上場が多いのか、探っていきます。

AI業界は市場の期待値が高い業界ですが、AI業界の中でも上場までのスピードにはばらつきがあることが分かります。

そこで、スピード上場を果たした第1位のニューラルポケットと、第8位のKudan、第11位のAI Insideを見てみると、スピード上場企業には以下の特徴がありました。

  1. 積極的な資金調達(累積資金調達額の大きさ・頻度の高さ)
  2. 大手企業との提携・取引に基づく安定性


AI上場銘柄の各種項目比較


つまり、ランキング上位で上場を果たしている「ニューラルポケット」や「Kudan」、「AI Inside」のほうが、そうではない企業よりも、より短期的に資金調達を繰り返し、事業成長スピードを早める経営をしていることが分かります。

従業員一人あたり時価総額ランキング

新規上場にあたって、従業員一人あたり時価総額が高い企業をまとめてみました。上場時に、従業員の規模(会社の規模)に対して時価総額が高く評価されてている企業はどこかがわかります。

バイオ・AI業界企業の一人あたり時価総額の高さが目立つ

第1位には「再生誘導医薬」の開発を行うバイオベンチャー、ステムリムがランクインしました。
第2位は同じくバイオベンチャーで、ゲノム編集治療薬開発・製造を手がけるモダリスです。
第3位は、抗がん剤開発に特化した医薬品メーカー、Delta-Fly Pharmaとなりました。

TOP3がすべてバイオベンチャーとなり、一人あたり時価総額ランキングの上位企業にはバイオ企業、AI企業が並ぶ結果となっています。

順位 企業名 業界 従業員数 時価総額(公募) 上場スピード 直前期売上高 直前期営業利益
1 ステムリム バイオ 20人 502.8億円 12年9ヶ月 2億円 △3.7億円
2 モダリス バイオ 16人 326.4億円 4年6ヶ月(1663日) 6.4億円 1.5億円
3 Delta-Fly Pharma バイオ 11人 205.3億円 7年10ヶ月 1.5億円 △2.4億円
4 Kudan AI 14人 255.4億円 4年1ヶ月 2億円 △306万円
5 PKSHA Technology AI 30人 318.6億円 4年11ヶ月 4.5億円 1.5億円


高い技術力や業界成長性が時価総額を高める

バイオ・AI業界の企業価値が高く評価される理由は、以下が考えられます。

  1. 高い技術力が企業価値の裏付けとなっている
  2. 多額の研究開発費が必要なため、自己資本率が高い
  3. 業界としての成長性の高さ




上場スピードあたり時価総額ランキング

上場スピードは速ければ速いほどいいかという点については、一概には言い切れません。そこで、時価総額(公募)を設立~上場の日数で割った、上場スピードあたり時価総額のランキングを見てみました。上場時までの時価総額の成長速度が速かった急成長企業はどこでしょうか。

TOP3はソフトバンク、メルカリ、LINE

上場スピードあたり時価総額ランキングの上位10社の概要は以下の通りです

第1位はソフトバンク、第2位はLINE、第3位はJR九州なりました。上位企業には時価総額が十分に成長してから上場した企業が並んでいます。

また、TOP10の企業のうち4社が 第一部にいきなり新規上場した企業であり、第一部上場企業の時価総額の大きさが反映された結果となりました。

順位 企業名 上場市場 上場スピード 時価総額(公募) 従業員数 直前期売上高 直前期営業利益
1 ソフトバンク 第一部 32年0ヶ月 7兆1807億円 23172人 3兆5470億円 6419.3億円
2 メルカリ マザーズ

5年4ヶ月(1964日)

4059.9億円 1014人 220.7億円 △27.7億円
3

LINE

第一部 15年10ヶ月 6929.7億円 3182人 1211.4億円 △95.2億円
4 九州旅客鉄道 第一部 29年6ヶ月 4160億円 17139人 3779.8億円 208.9億円
5 フリー マザーズ 7年5ヶ月 932.7億円 409人 45.1億円 △28.3億円

 



まとめ

今回は設立から上場までのスピードが速かった企業を特集しました。

AI企業の上場スピードの速さやその特徴を見ると、多くのスタートアップ企業の経営者にとっても、示唆となる情報が多かったのではないでしょうか。

スタートアップ企業の多くは上場を目指して資本政策を立てますが、特に スピード上場企業は設立時からの計画的な資金調達、大手企業との提携・取引が顕著なので、参考になるかと思われます。

また、上場スピードの速い業界としてAI業界やバイオ業界が挙げられたので、今後もこれらの業界のスタートアップ企業に目が離せません。

下記リンクより「【2020年最新版】上場スピードランキング【2016-2020】」がダウンロードできます。

①上場スピードランキングTOP30②一人あたり時価総額ランキングTOP10③上場スピードあたり時価総額ランキングTOP10の詳細を確認できます。

【2020年最新版】上場スピードランキング【2016-2020】




また、今回スピード上場の多い業界として特集したAI業界では拡大戦略としてM&Aや出資が活発に行われています。

AI企業へ積極買収・出資検討中の企業一覧」はこちらからご覧ください。

M&Aクラウド -AIスタートアップへの積極買収・出資企業一覧

                   

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